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2020.12.17

【M&A】企業買収が劇的に進むか?令和3年度税制改正大綱


 

高齢化社会となった日本では、中小企業の事業を円滑に承継できるかどうかという課題は、
非常に重大な要素となっております。

 令和2年12月12日に、政府与党から、税制改正大綱が出されましたが、
今回は、中小企業の事業承継に関して、とても重要な法案が示されています。

 ちなみに、税制改正大綱とは、
「次年度以降、こういう感じで、税金の制度、法律を変えていきますよ。」、という提案で、
この案が、国会で承認されると、法律となって、実現していくものです。

 政府与党が毎年12月に出しているもので、実現性が極めて高いものなので、
専門家である税理士も、注目して、毎年読み込むようにしているものです。

 

では何故、今回の税制大綱によって、企業買収が劇的に進むと考えるかを解説していきます。

1.企業が他社株式の取得をした場合、購入金額の70%を経費にできる。

 この案は、これまでにない、超画期的な法案であると考えます。

従来は、他社の株式を購入した場合、

株式=財産(資産)

 と考えますので、購入時に経費になることはありませんでした。

 これは、会社が土地を購入したときや、車両を購入したときも同様で、

今期利益が多額に出るため、税金の負担が大きい
 ⇒ なので、土地を購入して、納税を減らそう。
とは、考えなかったはずです。

 ところが、今回は、他社の株式を購入した場合、購入金額の70%を経費にできるということです。

例えば、当社(A社)が、B社の株式を1億円購入した場合、
A社は、7000万円を必要経費にすることができるということです。
 すごいと思いませんか?

それでは、具体的な要件を、見ていきましょう。

2.株式の購入金額を必要経費とする具体的な要件

1)青色申告書を提出する中小企業者であること

 

この場合の中小企業者とは、資本金1億円以下の法人で、大規模法人(資本金1億円超などの法人)
に支配されていない法人をいいます。

 また、業種によって、従業員の人数制限(例えば、300人以下など)がありますので、
これは、中小企業経営強化法を確認していただければ、従業員の人数制限が記載されています。

2)中小企業等経営強化法の改正施行日から、令和6年3月31日までの間に、
 経営力向上計画の認定を受けること

 改正施行日は、令和3年の国会(私の推定では、2~3月くらい)で法案通過となる予定なので、
国会のニュースも注目しましょう。

 また、経営力向上計画の認定を受けるための資料は、中小企業庁のホームページに
示されると思いますので、このホームページにも注目しましょう。

3)認定を受けた計画に従って、他法人の株式を購入により取得すること

 

ちなみに、株式の何パーセントを取得しなければならないのかは、大綱には書かれていないので、
ここは、注目です。

 株式取得方法は、購入に限定しているので、出資による取得や、配当で株式を取得した場合は、
考慮されない確率が高いでしょう。

4)購入した日を含む事業年度終了の日まで、その株式を保有していること

 例えば、3月決算法人の会社が、6月に株式を購入した場合、翌年3月までは、その株式を
ずっと持ち続けている必要があります。
例として、6月に100株購入して、12月に5株だけ売却したとかは、駄目ですね。

5)その年度に、購入金額の70%を準備金として積み立てること

 

積み立てる金額は70%以下と書かれていますので、
会社の事情で、50%だけ積み立てする場合もOKです。

なお、準備金の名称は、「中小企業事業再編投資損失準備金」といいます。

6)購入金額は10億円が限度です。

 

購入は10億円が限度なので、経費となる限度額は、
10億円✖70%=7億円 となります。

3.積み立てしたあとの処置

 株式を購入した年度は、その購入金額の70%は、準備金積み立てを行って、
必要経費とすることができますが、そのあと、その準備金はどうなるのでしょうか?

 これは、5年後に、均等に5年間で取り崩すことになります。
取り崩すということは、その法人の収入ということです。

例をあげて、説明します。
 

事業年度が4月1日から3月31日の法人で、
令和3年10月1日に、対象となる株式を1億円購入して、
その年度に、7000万円の積み立てをおこなった場合、

  • ・令和4年3月決算  7000万積立て(経費)
  • ・令和5年3月決算~令和9年決算 処理なし
  • ・令和10年3月決算 1400万円取崩し(収入)
  • ・令和11年3月決算 1400万円取崩し(収入)
  • ・令和12年3月決算 1400万円取崩し(収入)
  • ・令和13年3月決算 1400万円取崩し(収入)
  • ・令和14年3月決算 1400万円取崩し(収入)

このような経理になりますので、のちのち5年間に分けての納税となりますので、
ここは、綿密な計画が必要となります。

また、その株式の全部や一部を持たなくなった場合なども、積み立て金を取り崩す必要があるので、
留意点となります。

 最後に、この記事は、分かり易く説明することを心掛けているので、「経費」「収入」の使い方が
正確ではありません、正確な言葉は、「経費もしくは必要経費」⇒「損金」 「収入」⇒「益金」となります。

 しかし、中小企業の経営者に、ニュアンスを理解してもらいたかったので、表現を変えてありますので、
詳しく勉強したい人は、令和3年度自民党税制改正大綱、中小企業等経営強化法、租税特別措置法
を読み込んで、勉強してみてください。

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