今年も年末が近づき、そろそろ確定申告をどうしようかと気になってきましたね。
最近は、IT化が進み、クラウド会計で申告をやってみようかと考えている方も多いと思います。
もう、クラウド会計で何度か目の申告を迎える方、こんなことを考えていませんか?
- ・経理は紙の時代から、パソコン処理の時代に移っている。
- ・会計ソフトで処理するのは、よくわからない。
- ・クラウド会計のデモを見たら、預金通帳が次々とデータになるのを見て、ビックリした。
- ・やっぱり「時代はクラウド」だということで、クラウド会計を使っている。
- ・でも、「クラウド会計」なのに、税理士を雇っている。
- ・なんかモヤモヤする。
結局、クラウド会計でちゃんとまとめているのに、なんで税理士に頼まなきゃならないの?
今日は、こう考えている人の疑問にお答えします。
結論は、今時点において、クラウド会計ソフトは、自動化において、まだまだ不足している部分が多いということです。
そのモヤモヤについて、大きな2つの原因を述べていきます。
原因1.クラウド会計が、経理が効率化できている根本原因ではない。
経理が効率化できている原因は、クラウド会計が根本原因ではありません。
経理の仕事を、少し分解して考えてみましょう。
例示:経理担当者が、預金取引を処理するための所要時間
①平成25年頃のモデルケース
- a)預金通帳を金融機関に行って記帳する時間 1時間
- b)記帳した取引で、わからないものを解明する時間 2時間
- c)原因がすべて判明した預金取引を、会計ソフトに入力する時間 3時間
- 合計 6時間
- a)預金通帳を金融機関に行って記帳する時間 1時間
- b)記帳した取引で、わからないものを解明する時間 2時間
- c)原因がすべて判明した預金取引を、会計ソフトに入力する時間 3時間
- 合計 6時間
これが、数年前の経理のモデルです。この人に、クラウド会計を導入しませんか、とアドバイスして、
どのように変化したかを見ていきましょう。
②クラウド会計にした場合のモデルケース
- a)預金通帳を金融機関に行って記帳する時間 1時間
- b)記帳した取引で、わからないものを解明する時間 2時間
- c)原因がすべて判明した預金取引を、会計ソフトに入力する時間 3時間
- 合計 6時間
- a)預金通帳を金融機関に行って記帳する時間 1時間
- b)記帳した取引で、わからないものを解明する時間 2時間
- c)原因がすべて判明した預金取引を、会計ソフトに入力する時間 3時間
- 合計 6時間
すばらしく、効率化されていますね。
でも、a)の作業とc)の作業は、実はクラウド会計でなくともできます!
a) →→→ インターネットバンキングを導入したためできること
c) →→→ 従来の会計ソフト(弥生会計等)でも、インターネットバンキングのデータがあればできる。
すなわち、効率化のキーワードは、インターネットバンキング(データ化)ということです。
では、クラウド会計を使わずに、効率化する方法を考えてみましょう。
③従来の会計ソフトで効率化する場合のモデルケース
- a)預金通帳をインターネットバンキングからダウンロードする時間 0.25時間(15分)
- b)記帳した取引で、わからないものを解明する時間 1.5時間(1時間30分)
- c)原因がすべて判明した預金取引を、従来の会計ソフトに取り込みする時間 3分
- 合計 1時間48分(従来より4時間以上の効率化)
- a)預金通帳をインターネットバンキングからダウンロードする時間 0.25時間(15分)
- b)記帳した取引で、わからないものを解明する時間 1.5時間(1時間30分)
- c)原因がすべて判明した預金取引を、従来の会計ソフトに取り込みする時間 3分
- 合計 1時間48分(従来より4時間以上の効率化)
最近の会計ソフトは、インストール型、クラウド型問わずに、データを取り込む機能がついています。
なので、会計ソフトを探すときは、このデータ取り込み機能が簡単になっているソフトが、超おすすめです。
わたしのおすすめは、こちらです。⇒⇒⇒ キーパー財務
経理を効率化するポイントは、インターネットバンキングです。
原因2.クラウド会計そのままのデータ=強度を測らない建てっぱなしのビル
インターネットバンキングやクレジット明細を取り込み、会計が完璧と考えている人
そのデータは、「張りぼてのビル」と同じです。
たとえ話になりますが、建物で大切なのは、
- ・基礎
- ・柱
- ・鉄筋
ですね。
張りぼての状態であるクラウド会計のデータに、これら「基礎、柱、鉄筋」を入れたものに作り直ししなければなりません。
会計データで「基礎、柱、鉄筋」に当たるものとは、
1.勘定科目
「●●商会」から購入したもの=材料費 とはならないです。
ひょっとしたら、材料を加工するための機械を購入しているかもしれません。
このことは、会計にとっては、とても重要なことです。
2.その取引が消費税が課税されているかどうか、課税されているならば税率は何%か。
すべての取引が10%とは限りません。
3.末日が休日ではないかどうか。休日ならば、本来その月に支払うべきものが、すべて翌月処理となっている。
4.減価償却費や消費税の支払などの、その月の業績に影響する、比較的金額の大きな取引の処理
これらの処理は、正しい業績を把握するためには、非常に重要なことです。
税理士が、この、「基礎、柱、鉄筋」に当たる部分を処理する場合
既存の会計ソフト 1時間で処理
クラウド会計ソフト 2時間で処理
クラウド会計ソフトが2倍の手間がかかります。
これは、すべて、税理士と契約している事業者にとってのコストに跳ね返ってきます。
なぜか?
クラウド会計ソフトは、ブラウザ内(Chrome,Edge等)で処理するからです。
Googleには、無料で使えるGoogleスプレッドシートがあります。
有料のExcelと無料のGoogleスプレッドシート
どちらが使われているでしょうか?
圧倒的にExcelです。
なぜか、
Googleスプレッドシートは、ブラウザ内のアプリなので、スムーズに動作しないので、仕事では効率的に使えないからです。
仕事を効率化するためには、スムーズに動くアプリを使う必要があります。
(現段階では、既存の会計ソフト>クラウド会計ソフト、となります。)
現段階での、結論です。
経理を、税理士を雇うことなく、効率的に行うためには、
- 1.簿記3級のレベルを勉強する
- 2.インターネットバンキング及びクレジットカード(web明細)の導入
- 3.1のデータを生かして、既存の会計ソフトを使う
このような、結論が導き出されます。
当事務所では、
お客様がクラウド会計を使用している場合、
事務所内では、クラウド会計ソフトは使用しないで、データを効率的に加工して
お客様の使用しているクラウド会計の形で返却しています。
それが、お客様にとって、コストのかからない方法であり、
最も正確で効率的だからです。